緑内障手術について
緑内障の手術は、点眼薬やレーザー治療で充分な眼圧下降効果が得られなかった場合や、視野障害が進行する場合に行います。手術の目的は、眼圧を下げることであり、緑内障の手術を行っても、一旦悪くなった視力や視野が回復するわけではありませんが、眼圧を下げれば緑内障の進行を遅らせ、失明を予防することができます。
緑内障手術の種類について
緑内障の手術は大きく分けて2種類に分けられます。
また、緑内障の手術は白内障と同時に行うことが可能です。
1.線維柱帯切除術
線維柱帯切開術を行っても、眼圧下降が不十分の場合や視野障害が進行しているため、より強力に眼圧を下げるために行う手術です。
この手術は、目の中で作られた水(房水)を、目の中から目の外に流すための経路と、白目に袋(濾過胞)を作成します。濾過胞で眼内から流れ出た房水を溜め吸収させることにより、眼圧を下げることができます。
効果は期待できるものの、手術後は眼圧の変動が大きく、安定するまでは頻回に通院して頂き、必要時、眼球マッサージ(白目を押す)やレーザーによる縫合糸の切開、結膜の再縫合などの追加処置が必要になる場合があります。
また、合併症の一つとして眼内炎があります。手術の傷口より、ばい菌が入り込み眼内感染症をおこす場合が稀にあります。最悪の場合失明してしまうことがあるので、術後は目の周囲の清潔に気を付け、点眼を指示通り継続して行って頂く必要があります。
2.線維柱帯切開術
目の中で作られた水(房水)は、線維柱帯(房水が目の外に排出される出口のフィルター)を通って、目の外へ出ていきます。排水溝が詰まり水が溢れてしまうようなイメージと同じで、線維柱帯は網目状の構造をしているため、様々な原因で詰まってしまうと、房水が目の外へ排出されにくくなり、目の中で溜まり眼圧が上昇します。
この流れが悪くなった線維柱帯を、専用の器械で切開し房水の排出を良くする手術です。
この手術は低侵襲で行えるため、合併症は比較的少ないですが、手術直後には切開したところから目の中へ出血(前房出血)が起こります。個人差はありますが、出血の影響で一時的に視力低下がみられ、1週間程度で自然に吸収され改善するのがほとんどです。
緑内障手術の麻酔について
麻酔は局所麻酔になります。点眼と白目に注射(テノン嚢下麻酔)をして行います。
また、当院は笑気麻酔を導入しているため、不安が強い場合はご相談ください。
080-6939-6072
※診療時間内での相談対応となりますので、ご了承ください。