眼瞼疾患
(ものもらい・さかさまつげ・眼瞼痙攣)

眼瞼疾患とは

瞼の疾患として挙げられるのは、眼瞼下垂や逆さまつ毛、眼瞼外反、眼瞼腫瘍などです。当院では、眼瞼下垂をはじめ、眼瞼疾患に対する手術にも対応しています。なお美容目的のための手術は行っておらず、保険適応となる疾患の手術のみ対応をしております。自費や形成外科目的の方は、同敷地内のたかだ形成外科スキンケアクリニックまでご相談ください。


主な眼瞼疾患

霰粒腫

まぶたの内側にはマイボーム腺という目の乾燥を守るために脂質を出す分泌腺があります。霰粒腫とは、このマイボーム腺の出口が詰まり炎症が起こった結果、しこりが形成される状態です。麦粒腫とは異なり、細菌感染と伴わない炎症です。

麦粒腫

麦粒腫(ばくりゅうしゅ)とは、瞼の脂腺や毛根に細菌が入って炎症が起こる疾患です。「ものもらい」とも呼ばれており、発症すると赤み、腫れ、痛みが強くなります。化膿が進むと腫れた部分が自然に破けて膿が出る事もありますが、膿が出てしまえばその後は回復に向かいます。
抗生剤の点眼や内服薬を使用し治療を行います。炎症が強くなり化膿が進んだ場合は切開して膿を出す処置を行う場合もあります。

眼瞼下垂

眼瞼下垂は、なんらかの原因によって上のまぶたが下がってくる状態のことです。それにより視野が狭く感じたり、外見の印象が変わったりする不都合が生じます。原因は、生まれつきのものから、加齢による眼瞼の変化、コンタクトレンズ(特にハードコンタクトレンズ)の長期装用、外傷、神経麻痺などがあります。

眼瞼下垂手術について

一度下がった瞼の筋肉は自力で戻すことができないため、手術での治療を行います。眼瞼下垂手は局所麻酔で行われ、日帰り手術となります。手術の後は1週間ほど皮下出血や腫れる症状がみられますが、手術翌日の診察で経過が良ければ洗顔や洗髪は手術の翌日から行うことができます。

内反症(さかさまつげ)

本来外側に向けて生えているはずのまつ毛が眼球内側に向かって生えているために、まつ毛が眼球に触れてしまい、眼の表面にあたる角膜や結膜を傷つけやすい状態のことを言います。そのため、黒目が常にゴロゴロしたり涙が出る症状のほか、眩しさ、めやに、充血が続く症状がみられます。
また、内反症は生まれつき症状がある場合と、年齢を重ねていくことで発症するタイプに分かれており、各タイプに合った手術方法があります。

眼瞼内反症手術について

手術は局所麻酔のため、日帰り手術で行います。手術方法は、埋没法と切開をして手術を行う切開法がありますが、医師による診察により、目の状態に合わせて手術法を選択します。
手術後は、まぶたの腫れや内出血がありますが、1週間程で少しずつ軽快していきます。
また、内反症手術は保険適用とされる手術です。症状が気になる方は、まずはご相談ください。

眼瞼痙攣

眼瞼痙攣とは、自分の意志とは関係なくまばたきが増えたり眼が開けられなくなる病気です。中高年、女性に比較的多くみられます。初期症状としては、眼の周りの違和感、眼精疲労、光がまぶしく感じる症状がみられます。多くの場合は軽い症状から始まり、徐々に悪化していきます。また、ドライアイや、ドライアイに似た症状を合併する場合もあります。また、睡眠薬や神経・精神科系の内服薬の長期投与により、薬剤性の眼瞼痙攣が誘発されることが知られています。しかし、それ以外の原因はいまだに分かっておりません

ボツリヌス療法について

ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌という細菌が作り出すボツリヌストキシンというタンパク質が有効成分の薬液を注射する治療法です。注射を行うことにより、筋の攣縮および緊張を改善します。この作用によって眼瞼痙攣を抑制します。個人差はありますが、通常の施注で約3~4か月効果が持続します。