目がピクピク
(痙攣)する原因
眼瞼痙攣
目の周りの筋肉が過剰に動き、まばたきがコントロールできなくなる疾患です。両目に起こることが多く、初期段階では目に違和感を覚えます。そこから徐々にまばたきが多くなったり、瞼がピクピク動いたりします。放っておくと最悪の場合、自力で目を開けていられなくなる状態まで進行します。症状の進みはゆっくりですが、放っておいても自然治癒されません。また、40代以上の女性に多くみられるため、「更年期だからかな?」と勘違いして放っておかれるケースも珍しくありません。しかし、更年期だからといって眼瞼痙攣になるわけではありません。症状に心当たりがありましたら、早めにご相談ください。重度の場合はボツリヌス注射で改善することもできます。
片側顔面痙攣
顔の筋肉が勝手にピクピク動いてしまう疾患です。ほとんどの場合、顔の片方のみが痙攣します。顔面神経(顔の筋肉の運動を司る神経)の付け根が、血管に押されることで発症すると言われています。眼瞼痙攣と同じように、中年の女性に多く見られます。痙攣は目の周りから始まり、徐々に頬や口へと広がっていきます。軽度の場合は、治療せずに様子を伺うだけでも問題ありませんが、心配な場合は、ご相談ください。症状がひどい場合は、ボツリヌス注射で筋肉の痙攣を軽減させます。
チック
身体の一部が勝手に、繰り返し動いてしまう疾患です。脳機能の偏りや障害が関与しているのではないかと言われています。子どもや若年層に多くみられ、まばたきや顔しかめなどといった、片側顔面麻痺とよく似た症状を起こします。ただ、これらの症状はご自身の意志でコントロールできるため、自然と消えていくことがほとんどです。
眼精疲労
仕事や勉強などで目を長時間使い続けると、目への負担も大きくなります。目がかゆい、赤い、ぼやける、物が二重に見えるなどの症状は、目が疲れているサインです。そして休んでも治らない場合は、眼精疲労の可能性が考えられます。
眼精疲労は単なる疲れ目とは異なり、進行すると首・肩こり、頭痛、吐き気、倦怠感などの症状が起こります。原因は目の使いすぎだけでなく、ドライアイや白内障などの疾患、ストレスや生活習慣、合わない眼鏡やコンタクトレンズの使用など、多岐にわたります。眼精疲労を治すには、点眼薬や内服薬で目を楽にしたり、眼輪筋をリラックスさせたりする必要があります。
また、原因となる生活環境を変えたりストレスを減らしたり、度数の合った眼鏡・コンタクトレンズに変えたりすることも重要です。
ドライアイの症状や治療方法などにつきましては、ドライアイのページからご確認ください。
VDT症候群
VDT症候群(またはIT眼症)とは、「パソコンや携帯電話などのようなディスプレイ付きの端末(Visual Display Terminal)」によって起こる、疲労および疾患のことです。
画面を長時間見続けることで、目が痛い、乾く、視界がぼやける、視力が落ちるなどの症状が出ます。上半身が凝ったりしびれたり、イライラしたり不安になったりすることもあります。
VDT症候群を治すには、点眼薬を目に点したり内服薬で身体をリラックスさせたりする必要があります。また、画面との距離や姿勢に気をつけることも大切です。
目のピクピク、
瞼のピクピクの特徴
- しばらくピクピク痙攣し続けたが、だんだん落ち着いた
- 瞼の一部だけがピクピク動いており、その周辺は痙攣していない
上記のような症状が見られた場合、眼瞼ミオキミアが疑われます。眼瞼ミオキミアとは、瞼にある眼輪筋の一部に、異常な興奮が起こることで発症する疾患です。
眼瞼ミオキミア
瞼の一部がピクピク動く疾患です。上瞼または下瞼に起こりますが、下瞼の方が多いです。また、瞼全体が痙攣することはありません。痙攣は一時的なもので、すぐに治まりますが、頻繁に起こることも少なくありません。
症状
疲れが溜まっていたり大きいストレスを感じたりしている時などに、片方の下瞼がピクピクと痙攣します。痙攣は小さく、かつ不規則です。疲れやストレスが解消されると落ち着きます。
原因
疲れやストレス、結膜炎・ドライアイによる刺激、薬、コーヒーなどのカフェイン飲料などによって症状が起こります。また、パソコンやスマートフォンを長時間操作して目が疲れている時や、睡眠が足りていない時にも、一時的に症状が現れることがあります。
治療
疲れやストレスはこまめに解消しましょう。眼精疲労も伴っている場合は、点眼薬で目の疲れを和らげます。
ビタミンB12を不足させない
眼瞼ミオキミアの原因の一つに、ビタミンB12の不足があります。ビタミンB12は、神経や血液細胞を健康にしたり、DNA生成をサポートしたり、貧血を防いだりするのに期待できる栄養素です。ビタミンB12が足りないと、瞼の神経に異常が起こり、ピクピク動くことがあります。ビタミンB12を補うには、レバーや魚や卵や牛乳などを食べることをお勧めします。
目のピクピク(痙攣)を
させないためにできること
適度に目を休める
目が疲れた時は、目を休めませましょう。パソコン作業中にはできる限り、1時間に1回15分ぐらいの休憩時間を取りましょう。休憩中は、遠くを見るなどして、目をリラックスさせましょう。ホットアイマスクや蒸しタオルで目を温め、血液の流れを良くしていくのもお勧めです。血の巡りが良くなると、筋肉の疲れや痙攣が治りやすくなります。
十分な睡眠時間を確保する
睡眠は、目や身体を休ませる上で重要です。少なくても6~7時間ぐらいは寝ておくと良いでしょう。寝る2時間前にはスマートフォンなどの画面を見ないようにして、間接照明などを使って室内の明かりを落とすと、睡眠の質が高くなります。
もちろん昼寝を行っても大丈夫ですが、15分~30分ぐらいにしましょう。長く昼寝すると脳が深い眠りに入るため、起床時に身体が重くなったり夜寝られなくなったりすることがあります。
カフェインを控える
カフェインは神経を刺激する作用があるため、たくさん飲むと瞼の痙攣が悪化しやすくなります。健康な大人は、1日にコーヒー4杯分(400 mg)までに留めておきましょう。また、妊婦や授乳中の方は2杯分(200 mg)以下にしましょう。カフェインレスの飲み物も利用して、カフェインの摂りすぎを防ぐことをお勧めします。カフェインが多い飲み物の種類と、それぞれ100 mLあたりのカフェインの量は、下記の通りです。参考にしてみてください。
コーヒー:60 mg
紅茶:30 mg
煎茶・ほうじ茶:20 mg
(いずれも100 mLあたりに含まれるカフェイン量)
また、エナジードリンクにもカフェインが多く含まれています。缶1本でも、カフェインが100 mgも含まれているドリンクもあるため、一日に何度も飲むのは避けた方が良いでしょう。カフェインを飲みすぎた時は水分をたくさん飲んで、身体から排出させるようにしましょう。