30代・40代の方に多い
目の病気

VDT症候群(IT眼症、テクノストレス)

VDT症候群(またはIT眼症)とは、パソコンやスマートフォンなどの画面を長時間見ると、目や身体や心に様々な不調が起こる疾患です。
主な症状は、目の疲れや乾き、かすみ、視力低下などです。身体症状として、肩こりや首・腕の痛み、だるさなどが起こることもあります。精神的な症状としては、イライラや不安、抑うつなどが挙げられます。また重症化すると、近視や角結膜炎、ドライアイなどの疾患や、額の圧迫感やめまい、吐き気なども起こすことがあります。
治療では、点眼薬や飲み薬などを使った薬物療法が行われます。また、作業環境の見直しや定期的な視力検査も重要です。まばたきを意識して増やしたり、暖かいタオルなどで目を温めたりするのも有効です。


ドライアイ

涙の量が不十分もしくは涙の質が悪くなることで、涙が均等に行き渡らなくなった結果、目の表面に傷ができる疾患です。目の乾きや痛み、疲れ、視力低下、異物感、視界のかすみなどの症状が起こります。高齢者やコンタクトレンズ使用者、パソコンやスマートフォンを長時間使う方、屈折矯正手術を受けた方、空調の風によくさらされている方などに多く見られます。また、長距離移動の多い方や、夜型生活をされている方、ドライブをよくされる方にも多く見られる疾患です。

ドライアイ


眼精疲労

目を使いすぎることで起こる、目や全身の不調です。慢性的な目の疲れをはじめ、目の乾きや痛み、視界のかすみ、眩しさ、頭痛、肩こり、吐き気、抑うつ、不安などの症状が起こります。
目の疾患(緑内障や、白内障など)や、度数が合っていない矯正器具の使用、パソコンのなどの長時間操作などが原因になることが多いです。
眼精疲労を改善するには、原因を見つけて対処することが大切です。原因となる眼科疾患の治療や、矯正器具の作り直しなどを行うのはもちろん、パソコンなどを長時間使っている場合は休憩時間などを見直す必要もあります。
また、ビタミン剤の入った点眼薬や飲み薬などを処方することもあります。

眼精疲労


老視

老視は、40歳前後から起こる目の老化現象です。水晶体の弾力性が低下することで目のピントを合わせる力が弱くなった結果、近くの物が見えにくくなります。主な症状としては、目の疲れや頭痛、吐き気、肩こりなどが挙げられます。
水晶体は近くの物を見る時、屈折力を大きくさせるため厚みを増やしていきます。しかし年をとると、この調整力が落ちていきます。その結果、老視になります。
遠視の方は、老視に早く自覚されやすい傾向があるのですが、近視の方の場合は元から近くにピントが合いやすいため、なかなか老視に気付けません。
老視を矯正するには、遠近両用眼鏡やコンタクトレンズ、中間距離も見えやすい三焦点レンズなどが必要になります。


緑内障

視神経(目から入ってきた情報を伝える神経)に障害が起こることで眼圧が高くなり、見える範囲(視野)が狭くなる疾患です。目の視神経が耐えきれる眼圧より高くなることで発症します。
自覚症状がないまま進行することも多く、両目ともに症状が進行するケースはほとんどありません。しかし最悪の場合、失明する危険性もあります。中高年の方に多く見られ、日本人の40歳以上の20人に1人が、緑内障を発症していると報告されています。
眼圧検査や眼底検査、視野検査などで診断します。
治療法は、点眼薬物療法や、レーザー治療、緑内障手術があります。

緑内障


飛蚊症

目の中にある硝子体に濁りができることで、その影が網膜に映った結果、蚊やゴミみたいな物が視界に浮いて見える症状です。加齢やぶどう膜炎、硝子体出血などによって起こりますが、ごく稀に、網膜硝子体ジストロフィーや硝子体アミロイドーシスとった珍しい疾患によって起こることもあります。
飛蚊症で一番多く見られるのでは、年をとると起こりやすくなる後部硝子体剥離です。後部硝子体剥離があると、網膜裂孔や硝子体出血、黄斑前膜が起こることもあります。
まずは眼科で検査を受け、これらの疾患が隠れていないかを確認することが大切です。治療法は、原因によって異なりますが、レーザー治療や手術などがあります。また、生まれつき飛蚊症があるケースもありますが、その場合は放っておいても大丈夫です。

飛蚊症


中心性漿液性脈絡網膜症

30~50代の男性に多く、ストレスや副腎皮質ステロイド薬の副作用が発症に関わっているのではないかと考えられている疾患です。視界の真ん中が暗く見えたり、軽く視力が下がったり、物が実際のサイズよりも小さく見えたり、物が歪んで見えたりする症状が起こります。
視力に関わる黄斑部に水が溜まり、網膜が剥がれてしまうことで発症する疾患です。
自然に治ることもありますが、再発または長期化すると、視力低下するリスクが高まります。
診断には、血管からの水分の染み出しを発見するための検査が必要になります。
治療では、レーザー治療が選択されます。また、状態によっては、薬物療法や光線力学療法(PDT)が選択されることもあります。